イメージ

コラム

金属調印刷で高級感を付与!オリジナル技術で加飾の可能性を広げます 【開発秘話】

会社/技術紹介

ヤマックスでは、創業以来様々な オリジナル技術を生み出してきました。

中でも透明フィルムにまるで金属のような 高級感のある印刷を施すインキ「ブリリアント・シルバー」や、「ブリリアント・シルバー」を使用した金属調立体感印刷「Cubee E(キュービーイー)」は、開発されて以来多くのお客様にご愛好いただいております。
本コラムでは、そんな「ブリリアント・シルバー」と「Cubee E」の開発秘話をご紹介したいと思います!

ブリリアント・シルバーはヤマックスが今から30年以上前に開発したインキで、 その名の通りまるでメッキのような ブリリアントな金属感が特徴です。

カメラが写るくらいの鏡面度です。

透明フィルムに印刷するだけで、特殊加工なく金属のような質感を再現できます。

今から遡ること35年程前、市場では電卓などの印刷パネルが全盛期で、メーカーロゴの部分を蒸着メッキで加工しており、金属調の意匠が施されておりました。ただし、生産工程の過程が多岐に渡ることから、納品に至るまでかなりの期間を要し、かつ価格も増す一方・・・。
そこで、当時の技術者は「蒸着メッキを印刷で代替えできないか」と考え、現状の課題に対する改善テーマとして取り組みを始めました。ですが、印刷では、メッキの様な光沢感はなかなか再現できず一度は開発中止に・・・・。その当時、技術者は大変悔しい思いをしたようです。

月日は過ぎ、研究部門の担当者が、開発テーマのために取り寄せたアルミペーストの容器を目にした時にとある気づきが・・・。

当時の再現写真

そこからは、技術者としてのプライドを賭け、「なぜ光っている」かの原理と印刷での再現を重ね、金属調印刷「商品名ブリリアント・シルバー」をついに開発し、世に送り出しました。
技術者の人生において、物事の特徴に気付くことができるか否かは大きな分かれ道であり、「金属調印刷 ブリリアント・シルバー」はまさに「アルミペーストの容器の縁が光っている」という事象に気付くことで完成した商品でした。加えて、技術者の常に妥協せず、熱心かつ誠実に取り組む姿勢は新たな商品を開発する原点とも言えるエピソードとなります。

「Cubee E(キュービーイー)」はそんな「ブリリアント・シルバー」インキを使用したヤマックスオリジナルの印刷技術となります。

見た目は立体的な金属加工に見えますが、指で触ってみるとツルツルとした平面素材になっており不思議な感じです。特殊印刷を用いて、立体的に見える金属調を表現しているのです。
金属を加飾する技法であるエッチングやエンボス、シボやカーボンは、本来であれば特殊な加工を必要とします。しかし、Cubee Eではそれらを全て「印刷」のみで表現することを可能にしました。

ブリリアント・シルバー開発から時は過ぎ・・・、ある寒い冬の日に、ふと技術者の目に留まったバレンタインで頂いたチョコの銀紙の包み紙。

その想いに駆られ、再び技術者としての開発魂に火が付き、日々試行錯誤を重ねる日々。


心は折れかけ、試作品を片付けていたある日の夜。試作品のヤレ紙(*注記)の一枚が滑り落ち、くるりと回転し、ヤレ紙の裏側が上に。

【再現ドラマ】表に向いていたヤレ紙(左)が滑り落ち、くるりと裏面が上に(右)

滑り落ちたヤレ紙を裏面から見ると立体調に見えている(特定の条件が重なることで見えている)ことを発見。またしても技術者の「気付き」により、金属調立体感印刷が誕生した瞬間でした。
当時の技術者によると、「今でも落ちるヤレ紙がスローモーションで蘇り、ヤレ紙を見ると見入ってしまいます」とのこと。強く印象に残るシーンであったことが伺えます。
このエピソード後は、もちろん原理の解明と再現性の確立の為、試作、開発の日々でしたが、金属感立体調印刷「CubeeE」は、開発されてから現在に至り、様々な派生技術を生み出し、数多くのお客様でご愛好頂いております。まさに技術者の「気付き」がなければ誕生しなかった商品です。

*注記
ヤレ紙:印刷調整で使用する紙(材料)のことを指し、開発時に使回しの紙(材料)を使用する場合があります。

以上のように、従業員のアイデアを大切にしているヤマックスですが、「アイデア提案」という社内表彰制度 を取り入れています。

「アイデア提案」は1981年 (昭和56年)10月1日より実施されるようになり、40年以上続いている取り組みとなります。この取り組みが始まった当初の目的は、「従業員の新しい意見やアイデアを尊重し、業務の改善や業績の進展へと直接寄与すること」としておりました。
現在も、「従業員によって生産管理上の改善、製品の改良、新製品の考案及び事務改善等に渡る幅広い意見やアイデアを会社に対して提案し、会社側で社内の審査基準に基づき、審査を行った上で褒賞を行い、従業員の秀でた提案が会社の発展に寄与すること」を目的としております。
このような取り組みがお客様からの「ヤマックスならできるだろう」という気持ちに応えたいという想いや、ヤマックスの最大の特長である「お客様の『こんなことはできない?』を現実に変えていく。」という姿勢にも繋がっております。
様々な課題をアイデア力で解決してきたヤマックス。これからもお客様の期待に応えるべく、次のステージへ進んでまいります!


公式SNSにて最新情報を公開中