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コラム

印刷基礎知識⑦~捨てられてしまうセパレーターにも種類によって役割がある! 剥離紙の学習日記~

印刷基礎知識

「印刷って機械にかけたらすぐに仕上がるんじゃないの?」
印刷の基本のキも知らなかった新入社員が、ヤマックスで学んだ印刷知識を【印刷基礎知識コラム】にて発信しております。

これまで、【印刷専門用語】【色・色彩】【物性試験】【抜き型】の4つをご紹介してきた同シリーズ。

今回は【剥離紙】について学んでいきます。

剥離紙とは、セパレーターとも呼ばれています。一般的には粘着面を覆い、貼り合わせるために剥離剤をコーティングした紙やフィルムのことを言いますが、剥離紙の役割はそれだけではありません。

学習日記

~材料倉庫にて~

基材ってこんなにも種類があるのですね…!

基材だけじゃないよ。
この普段みんなが何気なく剥がして捨てている剥離紙(セパレーター)にも種類があるんだ。

剥離紙(セパレーター)にも?ただの台紙だと思っていました。
どのような種類に分けられるのですか?

グラシン紙、上質紙(クラフト紙)、フィルムの3つにわけることができるよ。

剥離紙(セパレーター)の種類

まず、グラシン紙は化学パルプを細かくすり潰し、薄く圧縮した薄紙のことを言うよ。光を透過するくらい薄いからお客様がラベラー機でラベルを貼る場合によく使われているよ。

ツルツルして光沢感がありますね。
水を垂らしても弾いている!

続いては、上質紙(クラフト紙)。
化学パルプ100%の用紙のことだよ。コピー用紙とほぼ同じ原料で作っているから質感が似ているでしょ。
コシや厚みがあるからカット仕上げや手貼りの製品に適しているよ。

似ています!
たしかに、グラシン紙に比べてコシがありますね。

最後はフィルム。
フィルムに剥離剤をコーティングしたもののことだよ。透明で、剥離紙(セパレーター)の繊維を拾わないことが大きな特長だよ。

紙の繊維?

基材から剥がしてごらん。
今までの剥離紙(セパレーター)を使った基材の粘着面をよく見ると筋が入っているように見えない?

本当ですね!
フィルムの剥離紙(セパレーター)は筋が入っていない…!

フィルムは表面が平滑だから紙の様な繊維も無いし、筋が入らないようになっているんだ。
例えば、デザインの一部が透明になっているような意匠ラベル等でフィルムの剥離紙(セパレーター)が採用されたりするよ。

剥離紙(セパレーター)にも種類があったなんて!
お客様の用途に合わせて選定が必要ということですね!

最終的には捨てられてしまう剥離紙(セパレーター)にもものづくりに深く関わる役割があったね。

やっぱり印刷は奥が深いですね。

今日のまとめ

普段、シールを貼る際に何気なく捨てていた剥離紙にも重要な役割があるとは… お客様の用途・要望を聞き取り、お客様にあったものづくりを行う。まさに、弊社のMissionである「ヤマックスは印刷技術そして創造力で人の想いをカタチにする」にはこのような提案力が必要なんだと改めて感じることができた研修でした。
今後も印刷基礎知識についてご紹介させていただきますのでお楽しみに!

印刷基礎知識シリーズはこちら


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