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ヤマックスオリジナル技術開発秘話付き!/「IR-G」~ヤマックスってどんな会社?~
さて、過去にもヤマックスのオリジナル技術における開発秘話についてご紹介させて頂いておりますが、今回は本年、公益財団法人日本発明振興協会・日刊工業新聞社主催「第49回発明大賞」において、発明奨励賞を受賞した加飾赤外線透過フィルタ、「IR-G」についてご紹介させて頂きます。
先輩社員と後輩社員の対話形式でご紹介できればと思います。
【掲載画像】加飾赤外線透過フィルタ「IR-G」:センサー部に手をかざすとランプが点灯する仕組み
こないださ、客先の工場へ訪問したら入口の自動ドアが開かなくて焦ったよ。ちょうど他の来訪者が来てドアは開いたんだけど、ドアの横にある黒い非接触センサーに手をかざすと開く仕組みでなかなか気が付かなかったよ。
そんなことがあったのですね。そういえば、新型コロナウイルス感染症が流行して以降はより一層、非接触のセンサーが増えていますよね。
そもそも、非接触センサーってマイクロ波や静電容量センサーなどがあるけど、どんな種類があるのですかね。何となく、一括りでセンサーって捉えていましたけど。
一番普及しているのは近赤外線センサーだね。赤外線(Infrared rays)は私たちの身の回りにある電磁波の一つで、波長の長さは主に近赤外線、中赤外線、遠赤外線の3種類に区分されるよ。
赤外線センサーは人や物などが発する熱(赤外線)を検知して、さまざまな機器が動作する仕組みになっているよ。普段、私たちの日常生活で使っているテレビやエアコン等のリモコンも赤外線センサーが使われている身近な製品だね。
近赤外線センサーは非常に安価だから、よく使われているんだ。
なるほど・・・、そういえば先日、ヤマックスでは近赤外線を透過する技術で発明大賞の奨励賞を受賞したんですよね。
加飾赤外線透過フィルタ「IR-G」のことだね。
黒色が一般的だった赤外線透過フィルタにおいて、印刷技術で模様や絵、写真のデザインを実現したんだよ。
その他、ヤマックスが自社で開発したIR印刷のラインナップとしてはIR-S(ブラック)、IR-W(ホワイト)、IR-M(メタリック)、IR-C(カット)といった展開をしているよね。
たしかに、従来はセンサーを受光する部分(以後、「受光部」と表記)って黒いイメージがあります。受光部と周囲の色や模様、柄との意匠がミスマッチなケースや、黒い窓がセンサー部と知っているので何となく監視されているような印象だったのですが、「IR-G」は近赤外線透過機能を保有しながらフィルタ部に加飾できるのですね。
IRフィルタは黒色以外だと銀色の単色もあるみたいだけれど、一般的には黒色から離れるほど性能も低下する傾向みたいだね。
その点、「IR-G」は使用範囲内で十分な性能を確保しながら、多色で意匠性のある表現が可能なので、製品(被着体)に調和したデザイン展開へと繋がっていきそうだよね。
今回、発明大賞を受賞した「IR-G」を開発した技術者に開発に至る経緯をお聞きしました!
今から十年以上前、技術者が外出時にトイレの個室に入室した時のこと・・・
その当時はまだ珍しかった自動洗浄されるセンサースイッチ(非接触)のトイレだったようで、「手をかざしてください」との記載もなく、黒いセンサーの窓があるのみ。
技術者はセンサーで自動洗浄される仕組みと気が付かず、黒いセンサースイッチをボタンと勘違いして、手で押してしまったとか。(押しても流れず焦ったようで、おそらく、勢いよく押してセンサーが感知しなかった?)
今では手をかざすと洗浄されるといった表示がされていますが、当時は黒いセンサースイッチのみだったのでせめて表示が欲しいなぁと強く感じたようでした。
さらに、そのエピソードから数年後、技術者が病院へ入院した際、これがまたトイレでのエピソードとのこと・・・
入院した病院の個室トイレでは何か異常があった際にすぐ対応できるように黒いセンサーが設置されていたのですが、技術者はセンサーがあると何となく監視されている気持ちになり、「他の患者の方も自身同様に精神的な負担が掛かってしまっているのではないか?空間に溶け込むようなデザインのセンサーがあればいいのでは?」と感じたとか。
このようなエピソードをきっかけに自社の技術で解決できるのでは?と感じ、地道に研究開発へと取り組んだ末、「IR-G」の誕生に至ったようです。
ヤマックスの強みである「課題解決に向けた企業姿勢」を軸にこれからも新たな技術を生み出していきたいと思います!