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コラム

製品意匠の価値を高めるヤマックスの転写マーク/~ヤマックスってどんな会社?~

ヤマックスについて

はじめに

今回のコラムのテーマは製品意匠の価値を高める転写マーク(デカール)。ヤマックスが長年携わってきた転写マーク(デカール)における歴史や魅力について触れさせて頂きたいと思います。当社では水貼り転写、感圧転写、熱転写、溶剤転写の実績があり、幅広い業界で採用実績がございます。本コラムを通じて、転写マーク(デカール)における当社の強みもご紹介させて頂きたいと思います。

こないだ久しぶりにプラモデルを作ったけど、すごく良い仕上がりになったんだよね。

懐かしいですね。プラモデルのデカールって、台紙ごと水(ぬるま湯)に浸してピンセット等でデザインを剥がして使う方式の水貼り転写でしたかね。水を使うので貼り付ける場所を決めやすいけど、慣れるまで最初は苦戦した思い出があります。でも、一般的なシールやステッカーとは違って貼りつけた後に凹凸感もなく、表面が滑らかで一体感がありますよね。

まるで塗装したような仕上がりや曲面にも馴染む点も特徴だよね。ちなみに昔はプラモデルに使用される転写マーク(デカール)の仕事を受けていたよ。

ヤマックスでは幅広い業界で転写の実績がありますよね。

ヤマックスの転写マーク(デカール)の始まりは昭和21年に革用の転写マーク製造機を購入した時からだよ。ヤマックスでは昭和38年に「ドライデカル」の商標登録を取得したんだ。ちなみに昭和43年にヤマックスが日本で初めて昇華転写マークを製作したんだよ。昭和43年からヤマックスの転写マーク(デカール)が幅広い業界の製品での採用に繋がっていったみたいだね。

そういえば、昭和39年にチューインガムの景品としてたくさんお仕事を戴いたとか。この製品は感圧転写という手法の転写マークですね。お菓子のおまけに付いていた感圧転写のマークをよく食卓のテーブルの裏に貼って親に叱られた記憶があります。

当社が取り扱っているデカールには水貼り転写、感圧転写、熱転写、溶剤転写があって、貼り付ける対象(以下、被着体)や用途、形状等によって転写の工法が使い分けられているね。例えば、水貼り転写は水に浸した転写紙をスライドして貼り位置を決めるので曲面に貼り付ける際に適しているよ。ただ、貼り付けにはノウハウも必要なんだ。ヤマックスでは被着体の特徴や作業環境をお客様との面談を通じて把握したうえで製品を生み出している点が強みだよ。

幅広い業界の様々な製品の転写マーク(デカール)に携わってきた経験が繋がっているのですね。

転写マークの採用事例1:シューズ

ちなみに当社で採用された熱転写の一例としてシューズの実績があるけど、どのようなポイントがあるかな。

確か、採用されたシューズってカラフルなデザインでしたよね。でもカラフルなデザインをもし布の色で表現するとなると、配色が多いほど縫い合わせる布の量が多くなりますよね。そうなるとその分重くなってしまう・・・でも、シューズは軽量感も求められることが多いですね。その点、転写マークはインキ層で多色表現したマークを被着体(布)に熱転写するのでカラフルなデザインを維持しながら軽量になりますよね (転写マーク自体の構成はインキ層と糊(ホットメルト)となります)。

多色の布を重ねる必要がなくなり、通気性が良くなったこともポイントだよ。加えてシューズは特に伸縮性も求められるので被着体に合わせてインキ層や糊(ホットメルト)が追従することも重要だよね。

意匠性だけでなく、機能性も求められるのですね。被着体(布)との密着性についてはインキ層だけでなく、糊(ホットメルト)が大きなポイントとなってきますね。

転写マークの採用事例2:テニスラケット

他に当社で採用された水貼り転写の一例としてテニスラケットの実績があるよね。

テニスラケットのフレームもカラフルなデザインが多いですよね。そもそも、転写以外の工法だとどんな工法になりますかね、ステッカーだと湾曲した面に貼るのはかなり難しそうだし、塗装かな・・・。

確かに塗装という手段もあるけれど多色になるほど一色塗装する度にマスキングを行う手間が生じてしまうよね。しかも湾曲したフレームにマスキングをして多色なデザインを塗装するのもなかなか大変だよね。その点、転写マークだとラケットのような曲面にも追従する点もメリットだよね。

それに塗装方法がスプレーガンだと塗着しなかった塗料によるVOC(揮発性有機化合物)増加の課題もありますよね。

確かに、塗装に用いられる塗料や洗浄する際の溶剤等にVOCが含まれていて、湯浮遊粒子状物質や光化学スモッグの原因の一つとも言われているね。印刷で使用されているインキにも溶剤を使用しているけれど、スプレーガン塗装の場合は吹き付け時に塗料が離散してしまい、塗着しなかった塗料が多ければ多いほど、VOC排出量の増加に繋がっていくことにもなるね。工業塗装におけるVOC排出抑制については環境省でも対策例が挙げられているし、環境への意識は今後も求められていくだろうね。

その点、転写マークだと多色なデザインを一度に絵付けできるので、工程削減にも繋がり、環境負荷低減になるという見方もできますね。

*転写マークの絵付け後に最終工程でクリヤー塗装は必要となります。

意匠性や機能性だけでなく環境面での視点も踏まえて製品の付加価値を提案していくことも必要だよね。

今回、ご紹介させて頂いたのは当社で取り扱いの歴史が長い転写マーク。自社の強みを生かした製品を今後もご紹介させていただければ幸いです。

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