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コラム
印刷いまむかし①~古代の印刷・凸版印刷・凹版印刷の歴史~【全3回】
わたしたちの生活に欠かせない印刷。その歴史はいつから始まったのでしょうか。
このコラムでは全三回にわたり、4大印刷技術と呼ばれる凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷に加え、デジタル印刷の歴史を紹介いたします。
第1回では印刷の起源ともいえるスタンプ式印刷・捺染・摺拓と、凸版印刷、凹版印刷を紹介します。
印刷のはじまり
- スタンプ式の印刷
印刷の歴史は約5000年も前の、北シリアのスタンプ型印章にさかのぼります。これは粘土板にスタンプを押し付けるものでした。
- 布への印刷
昔から布地に模様をつけるために、捺染という手法が使われてきました。捺染とは、型を使って布などを染色し、同じ模様の布地を何枚も作る手法です。型を使った捺染は、少なくとも2000年前にはインドで行われていました。この捺染の技術は、のちにシルクスクリーン印刷の原型にもなります。
- 摺拓(しゅうたく)
摺拓とは、凸凹のあるものに紙を押しつけ、その上から墨をこすりつけることで凸凹を紙に写し取る手法です。摺拓は2世紀に中国で、石板に彫られた文章を写し取るために盛んに行われました。摺拓は現在でも魚拓などで見ることができます。
- 印刷の歴史とヤマックス
ここで紹介した3つの技術は、印刷のオリジナルといえるものです。昔から人類は、情報を形に残して広めるために様々な印刷技術を発明してきました。 ヤマックス株式会社は印刷の長い歴史を受け継ぎ、これまでにない印刷物を生み出してきました。印刷の概念を超えるため、ここで改めて印刷の歴史を振り返ります。
凸版印刷~印刷に革命を起こした発明~
- 凸版印刷とは
凸版印刷とは、凹凸のある板を版にして、盛り上がったところにインキをつけて印刷する手法です。身近なところではスタンプや、浮世絵の版画も凸版印刷の1つだといえるでしょう。
- 木版のはじまり
木版とは、木の板に文字や絵を浮き彫りにしたものにインキを載せ印刷する凸版印刷です。7世紀末ごろに中国で木版印刷が発明されたことで、印刷技術が大きく発展します。「印刷版を作り、この版面にインクをつけ、これを紙・フィルム・布その他に転写して、多数の複製を作ること。」(広辞苑第6版)という印刷は、ここから始まります。
- グーテンベルクの活版印刷
印刷史上最大の発明とも呼ばれる活版印刷がヨーロッパで誕生したのは、1440年のことでした。ドイツのヨハネス・グーテンベルクが、ブドウ絞り機を改造した印刷機と鉛の活字を発明し、聖書を出版しました。
グーテンベルクの活版印刷の発明のおかげで、それまで口伝えに頼っていたメディアのスピードが格段に上がりました。
- 凸版印刷の現在
凸版印刷は現在では、包装などに広く使用されています。特に樹脂版と液状のインキを用いたフレキソ印刷は、ざらざらした紙からつるつるしたものまで印刷できるため、注目が集まっています。
ヤマックス株式会社では、容器ラベルやPOPシールに凸版印刷を採用しており、フレキソ印刷機でも生産を行っております。
ヤマックスの凸版印刷物はこちら!
凹版印刷~絵画や写真の印刷~
- 凹版印刷とは
凹版印刷とは板に文字や絵を彫り、その溝にインキを詰め込んで印刷する手法です。色の濃さを溝の深さで表すことができ、絵や写真の印刷に適しています。
凹版印刷が生まれたのは15世紀ごろです。そのころは銅板や鋼板に絵柄を直接彫刻する技法が主流でした。1513年に銅板に特殊な薬剤を塗り、ニードルで文字や絵の形に薬剤を削りとったのちに腐食させることで、薬剤のはがれた部分だけ銅板をへこませる技法が発明されました。ドイツのルドウィック・フォン・ジーゲンによって考案されたこの技法は、エッチングと呼ばれています。
その後、活版印刷による文字印刷と凹版印刷による絵画印刷が盛んに行われます。
- グラビア印刷の登場
1879年にチェコスロバキアのカール・クリッチがグラビア印刷を発明します。これは当時発明された写真の技術を応用して、版を作成するものでした。 その後グラビア印刷は安価さや手軽さから雑誌の写真ページなどに多く使用されました。